こんにちは、そみです。
突然ですが、日本社会において”孤独”って言葉のイメージはかなり悪いですよね。
どれだけ人とつながるか、どれだけ一人にならないかっていうことにみんな必死になっていて、常にSNSやメールなどで人とつながっていないと不安で、少しでも予定が空くと埋めようと必死になる。
まさに現代病だなーと思います。
ちなみに以前『ひきこもれ』ーひとりの時間をもつということーを読んでみた っていう記事にも書いたように、私は一人大好き人間です。
人と話すのは好きなんですが、コミュニケーションの持久力があまりなく、集団で群れるのが嫌いなタイプです。
でもそんな私でも、世間でこれだけ”孤独”はダメって言われていると時たま敏感になることがあって、「もっと友人を増やした方がいいのかなー」とか「本音を言って村八分にされたらどうしようー」とか無駄に不安を抱いてしまいます。
孤独を恐れるあまり仮面を被ってしまっていて、望まない人間関係の中で苦しむ、なんてことが今まで多々ありました。
とはいっても人間は社会の中で生きているので、ある程度の我慢は仕方ないのですが、”孤独”をひどく嫌い、極端につながりを求めるようになると、それは自由な人生への足枷になってしまうと思います。
で、”孤独”をもっとプラスに捉える方法はないかなーと考えていたときに出会ったのがこちらの「人生の「質」を上げる 孤独をたのしむ力」という本。
現代人の”極端な孤独嫌い”を優しくほぐしてくれ、孤独こそが人生の質を上げるのに大切なものなんだよーと、孤独のポジティブな面を教えてくれる1冊でした。
今回も印象的だった言葉を取り上げ、現代人に必要な”孤独力”について考えたことを書いていきたいと思います。
「孤独を恐れる」のをやめる
孤独を避けようという努力は、自分をごまかすことでもあり、「自分はこういう個性を持ったこういう人間である」と信じるアイデンティティ(自我)が確立しにくいのです。
しかし自我が確立していれば、情緒も安定し、孤独は寂しさを感じるものではなく、むしろ豊かな時間に感じられるものです。
引用: 午堂登紀雄 『孤独をたのしむ力』より
筆者は、孤独を恐れる人は常に誰かとつながろうとするため内省の時間が無く、結果自分らしさを十分に磨くことができないと言っています。
最近増えてきている「何がしたいかわからない」「何が好きかわからない」といった状況に陥っている人も、実はこの内省の時間・自分とじっくり向き合う時間が足りなかったのが原因なのかもしれません。
アイデンティティを確立するためには、誰かとのコミュニケーションの中で学んだことをいったんひとりの時間に持ち込み、自分の中でうまく消化しいく過程が大切なんですが、それを妨害するようなものが世の中にはたくさんあるんですよね。
例えば、子供がポツンと一人で遊んでいると、大人たちが何とかグループに入れようとするのもそう。
その子がいじめに遭っているのであれば話は変わってきますが、一人で何かに没頭しているのであれば、本来そっとしておくべきなんですよね。
でも日本社会では「ひとり=望ましくない」から、なるべくみんなの輪に入れようとする傾向があります。
その結果、アイデンティティを確立するのに必要な内省の時間を奪ってしまうことになりかねません。
日本社会は”協調性”を重視するあまり、ひとりひとりの内省・没頭の時間を蔑ろにしがち。
もう少し孤独のプラス面に着目してもいいのかもしれませんね。
「無理して職場にとどまる」のをやめる
孤独力の高い人は、自分の対人関係の傾向をよく把握しています。その能力は、自分の性格にマッチした職業選択につながり、それは結局、満足度の高い人生になりやすいと言えます。
転職や起業が無理という人は、マルチアイデンティティを持てる場をつくることです。それは、所属する社会をひとつではなく、複数持つことです。
引用: 午堂登紀雄 『孤独をたのしむ力』より
自分の適性に合った場所を見つけるっていうのは、人生の満足度を上げるのに非常に大切なポイントでして。
実際わたしも”適性に合った場所”、”適性に合った働き方”が見つかったことがきっかけで毎日が一気に楽しくなりました。
筆者は職場を例にあげていますが、これらは職場に限らず学校、家庭、趣味の集まりなど様々なコミュニティで当てはまることです。
”適性に合ったコトや場所”を見つけるためには「なんか合わないなー」ってなったときに、サッと退陣したり逃げたりできるだけの瞬発力と勇気が必要になってくるんですが、日本人はこれが苦手ですよね。
だから「嫌々だけど、周りに迷惑をかけないために居座り続ける」「新しい環境に対応するのが面倒だから、無理してしがみついてる」なんてケースが多いんだと思います。
そこで筆者は解決策として、居場所をたくさんつくり、マルチなアイデンティティを持つことをあげています。
「私にはここしかない!」「こういうアイデンティティでしかやっていけない!」と思いこんでしまうと追い詰められやすい。
でも「ここがダメでもあそこがある。」「ここではこういうキャラになってしまってるけど他の場所では本当の自分を出せる」などなど、複数の自分を持って自己表現するようにすれば、うまくバランスがとれてしがらみが無くなっていくのだと思います。
ま、その居場所やアイデンティティを増やすためにも、自分との対話が不可欠なわけですが。
「漠然とした不安」を抱えるのをやめる
やめられない人 知らないことだらけで、不安になる。
やめられた人 読書で知識を得て、幸せにつなげる。
引用: 午堂登紀雄 『孤独をたのしむ力』より
”漠然とした不安”っていうのは、非常に厄介なものでして。
原因が分からない&未来のことだから、いつまでたっても無くならないんですよね。
私も漠然とした不安に弱い人間で、これは一生の課題だなあと思うくらい。
筆者はこの漠然とした不安の解決策として、「読書で知識を得て、自分と世の中の仕組み、自分と社会の距離を正しく理解すること」を挙げています。
確かに、本を読み知識を得ていくと、今まで自分が抱いていた不安の7割ぐらいが勝手な妄想だったんだなーということに気づけますし、実は違う視点でみると大した問題じゃないかって思えることがあります。
ま、これももちろん単に本から知識を得て終わり!じゃなくて、それに加えて知識を自分の中で消化する過程が必要ですよね。
ひとりで本を読み、じっくりと考えるためにも孤独力が非常に大切になってきます。
孤独をたのしみ自我を育む力
元々ひとり大好き人間ですが、この本を読んで孤独のポジティブな面を再確認できたように思います。
不安になると、ついつい無駄に外に刺激を求めてしまったり、SNSをダラダラと眺めたりしがちですが、それはただ自分の問題から目を背けているだけです。
情報過多な時代に静かに自分と向き合うのは大変ですが、その過程を得てこそ、自我をしっかり育み、人生の質を上げられるのだと思います。
- 他人に振り回されがちな人
- ひとりでいるのが寂しい人
- 自分でなかなか決断できない人
- ”ぼっち”という言葉に敏感な人
そんな方は是非この本を読んでみてください。
誰もが簡単につながれる時代だからこそ、改めて孤独力の大切さを考えたいですね。
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