皆さん こんにちは、そみ(@somi_koguma) です。
毎日、蒸し暑いですね。
私は暑さにとにかく弱いので、毎年夏になると、引きこもります(いつもですが)
でも引きこもって仕事をいるだけだと、外からのアウトプットが遮断されてしまうので、いつも以上に読書するようにしています。
で、最近もソウルで大量に買った本を1冊ずつ大切に読んでいるのですが、『無礼な人に笑いながら対処する方法』 っていうエッセイが心にジワリときまして。
以前Twitterにも書いたように、日本でもかなり話題となった私は私のままで生きることにした [ キム・スヒョン ]や、私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない [ イ・ミンギョン ]
などと被る部分も多い1冊でした。
ヨーロッパ旅行にも連れて行った"무례한 사람에게 웃으며 대처하는 법(無礼な人に笑顔で対処する方法)
— Somi@ソウル一人旅フォトライター (@somi_koguma) 2019年7月11日
日本語版もあったので、今それと合わせて読んでいます。
これも나는 나로 살기로 했다(私は私のまま生きることにした)とかぶる部分もあり、とてもいい内容🙂
またブログにも書きます! pic.twitter.com/8BP8gJwixB
今回はこのエッセイの韓国語版と日本語版を読んでみたので、印象に残った文章をいくつか紹介したいと思います。
スポンサーリンク
무례한 사람에게 웃으며 대처하는 법(無礼な人に笑いながら対処する方法)
韓国語版の『무례한 사람에게 웃으며 대처하는 법(無礼な人に笑いながら対処する方法)』は、昨年韓国で発売され、ベストセラーになったエッセイ。
昨今の韓国文学ブームにのってか日本語版も発売されており、日本語版のタイトルは『無礼な人にNOと言う44のレッスン』となっています。
韓国版と日本語版を読み比べてみたところ、一部章の順番が違うものの、内容はほぼ同じだったので、韓国語の勉強にも役立つかなと。
こちらのエッセイはタイトル通り、私たちが人生で何度も出会う無礼な人達から身を守り、スマートに対処するための方法や心構えなどが書かれている1冊です。
女性向けwebマガジンの編集長さんが書いた本ということもあって、内容は主に女性向けの印象で、セクハラや女性を見下した発言に対する対処法が多く書かれていました。
そして冒頭にも書きましたが、私は私のままで生きることにした や、私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない と共通している内容が多く、この2冊を読んだことがある方なら「お、これはどこかで聞いたことがあるフレーズだな」と思うことが時折あると思います。
ということで早速、いつものように気になったフレーズをピックアップし、そこから感じたことなどを書いていきたいと思います。
愛のない批判にいちいち傷つかない
名節くらいしか会わない親戚が「いつ就職するんだ?」、「いつ結婚するの?」と聞くのは、他に話題がないために持ち出す挨拶のようなものだ。こんなときはいちいち傷つかず、「そのうちしないといけませんね」と儀礼的な返事だけをしていればいい。権威を誇示するために質問を浴びせる人に対しては感情を断ち切ってしまうことが得策だ。
引用:『無礼な人にNOという44のレッスン』チョン・ムンジョン P59
自分で言うのもなんですが、わたしは昔、代表的な”いい子ちゃん”で、学校でも家庭でもすれ違う人々からも常に”物分かりのいい子”だと思われて育ってきました。(ま、今はいい子ちゃん路線から大きく外れていますが。)
だから誰かに批判されたり、深く干渉されたりすると、まず自分が悪いって思う癖がついていたんですよね。
でも、ある日ふと思ったんです。「なんで私のことを何も知らない人に、そんなこと言われなきゃいけないんだ」って。
言い方は悪いですが今までの経験上、暇で自分に自信がない人に限って、他人への干渉や悪口、批判がひどかったりします。
この本にも書いてあったように、そういった人の発言って権威を誇示するためだけのものだったりするので、その言葉を自分の体に取り込まないほうが良いのかなと。
”良薬は口に苦し”なんて言われますが、そもそもその良薬(忠言や批判)が本当に自分のためのものなのかを判断しなきゃいけないですよね。
心ない言葉が脳内に無断侵入してきて、エネルギーを消耗したくないものです。
セクハラ発言への対処法
セクハラにあったときに、まずしなければならないことは、「考えすぎかな」、「この人はそんな人ではない」という考えを捨てること。大したことではないと思うと、抵抗したり不快感を表すことが難しくなってしまう。そうすると、加害者ではなく被害者である自分を責めてしまう状況に陥っていく。
(中略)
二つめに、笑わないこと。真顔で拒否するのが難しくても、笑うことだけはしてはいけない。
引用:『無礼な人にNOという44のレッスン』チョン・ムンジョン P107-108
日頃、韓国人や中国人と話す機会が多いんですが、韓国や中国の男性が口をそろえて言うのが「韓国、中国の女性と違って、日本の女性は優しすぎる。どんな話にも頷いてくれるし、下品なことを言っても笑ってくれる。」ということ。
わたしはそれを聞くたび、「ああ、日本のセクハラ問題が解決する日はまだまだ遠いな」なんて思ってしまいます。
もちろんセクハラをする側が一番悪いんですが、それに抵抗しない私たち女性側にもある程度の責任はあると思っていて、セクハラされた(もしくはそういう発言をされた)場合は、自分が悪いなどといった考えは捨て、”NO”を伝えることが大切。
そうすることによって、二次被害やエスカレートを食い止められると思います。
と、えらそうに言っている私もここ最近まで、NOを言えていなかったんですが…
『무례한 사람에게 웃으며 대처하는 법(無礼な人に笑いながら対処する方法)』を始めとしたいろいろな本を読んでいくうちに、ちゃんと「そういう発言は不快なんですが」と伝えられるようになってきました。
つい最近も、男性の友人に言ってやりました!
本書には他にも、はっきりと伝えるのが苦手という人でも実践できる対処法が書かれていたので、日頃セクハラなどに悩んでいる人は必読です!
見過ごしてきた慣例にNOという
「いくらなんでも、これはないんじゃないか」と、誰かが声をあげたとき、世の中は少しずつ変わっていく。「みんなそうなんだ」、「こんなものなんだよね」と言うのはもうやめて、常識から逸脱した慣例からは目をそらさないようにしよう。決心すれば、この世は本当によくなっていくだろう。
引用:『無礼な人にNOという44のレッスン』チョン・ムンジョン P107-108
平成生まれ、ゆとり世代の方なら共感できるかと思いますが、私は生まれてこの方”人々が一致団結して声を挙げたら、社会や組織、世の価値観が大きく変わる”という感覚を日本で味わったことがないんですよね。
だから「選挙に行っても無駄」「上に逆らっても自分が損するだけ」「長い物には巻かれろ」といった諦めムードが若い世代の間に充満しているんだと思いますし、不条理なことから目をそらし、芸能ニュースだけに飛びつく人が増えているんだと思います。
でも人生で初めて「人々が声を挙げると、世の中ってこんなにも変わるんだ」と思ったのが、韓国でMe Too運動や朴槿恵への大規模デモを見たときでした。
私の推測ですが、今まで生活の中で全く声をあげていなかった人が、いきなり運動やデモを始めるというのはあまり考えられなくて、個人個人が普段の生活で小さく抵抗する練習を積み重ねていた結果が、あのデモ活動だったなのかなーと思います。
とはいえ、無気力が蔓延している日本社会で声をあげるのはとてもハードルが高いことです。
でも日常に潜む小さな違和感に抵抗することは、誰にでもできるのではないかと。
例えば周囲にセクハラやパワハラに悩んでいる友人がいるなら、相談にのってあげたり、参考になるような本を紹介してあげたりするとか。
社会や組織、慣例などに違和感があるなら、自身のSNSで意見を発信するとか、選挙に行くとか、価値観が似ている団体を応援するとか…できることは無数にあると思います。
私もこの本を読んだ一読者として、これからも無礼な人や無礼な権力者に対して、小さな抵抗を続けたいなと思っています。
★★★
ということで!今回は 韓国エッセイ『무례한 사람에게 웃으며 대처하는 법(無礼な人に笑いながら対処する方法)』の韓国語版&日本語版の紹介でした。
韓国のエッセイは読むたびに「よっしゃ。好きなことしまくって幸せになったるでい!」という気持ちにしてくれるのでありがたいです。
今回紹介した『무례한 사람에게 웃으며 대처하는 법(無礼な人に笑いながら対処する方法)』も、日頃の人間関係や、人に接する自分の態度や発言を顧みるきっかけになる1冊でした。
- ・日頃、セクハラやパワハラに悩んでいる
- ・自分の意見や感情をスマートに伝えられるようになりたい
- ・無礼な人、言葉から自分をしっかり守る術を知りたい
- ・韓国のエッセイが好き
こういった方は、是非読んでみてくださいね!
韓国の本 関連記事▼
スポンサーリンク