Koguma

自由に生きたい韓国マニアのゆったり生活

韓国エッセイ”言葉の温度”  何気ない一言に込められている温度について

 

こんにちは、 そみ(@somi_koguma) です。

 

私は普段ひとり行動をよくすることもあって、カフェや電車で隣に座った人の会話を聞こうとしてなくても、スッと耳に入ってくることがあってですね。

全く知らない人ですが、彼等の会話を数分聞いているとそれぞれの日常が垣間見え、みんな考えることは一緒だなーと思うことも、人によってこうも違うのか!とハッとすることもあります。

 

言葉にはそれぞれの人生が滲み出ています。

彼らの言葉から、自分の知らない領域に興味がむくむく湧くこともあるし、冷たく吐かれた言葉に耳を塞ぎたくなるときもあるし、はたまた自分はどうだろうと過去を顧みることもあります。

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で、先日読んだ韓国エッセイ<言葉の温度>も、そういった人々の何気ない会話や映画の台詞から胸を打つ言葉を拾い上げ、それについて語っている1冊でして。

読みすすめるうちに筆者の視線が自分と重なっていく、不思議な感覚のエッセイでした。

 

韓国では130万部を突破する大ベストセラーになり、社会現象になるまでに。

さらに東方神起のチャンミンさんの愛読書としても話題になった1冊なんだとか。

 

社会現象になるということは、”言葉の温かさ”に飢えている人が多いことの表れなんでしょうね。

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ということで今回は、

 

    ・最近なんだか感性が鈍ってきた
    ・韓国の本を読んでみたい
    ・温かい内容のエッセイが好き
    ・東方神起のファン!

 

といった方におすすめの本、<言葉の温度>を紹介し、いつものように印象に残った文章を共有したいなと思います。

 

 

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日常の何気ない風景、言葉を丁寧に味わう

 

この本は、著者イ・ギジュが生活の中で出会った何気ない言葉や会話を丁寧に噛みしめ、その言葉に込められた重みや温度について語っている1冊。

油断すると見逃してしまいそうな日常の瞬間を鋭い感性と絶妙な言葉のチョイスで拾い上げていて、終始、感嘆のため息が止まりませんでした。

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どの章もすごくよかったのですが、読みおわったあとに心にズシッと残る言葉がいくつかあったので、ここからは引用文とともに感じたことを書いていきたいと思います。

 

だれかにとって、かげがえのない人

 

筆者が講演後にお手洗いを利用したときのエピソード

壁に紙が貼られており、そこに短い文章が書かれていた。よく読んでみると、最後の文章に視線が釘付けになった。ちくりと心が痛んだ。平坦な道を歩いていたら、いきなり険しい絶壁に出くわして、ぎくりとしたような気分だった。書かれていたのは、こんな文章だった。

トイレをきれいに使ってください。

ここを掃除してくださる方たちは誰かにとって、かけがえのない人たちです。

引用:言葉の温度 P100

 

目の前にいる他者は自分にとっては何ともない人でも、誰かにとっては大切な人。

ただ”思いやりは大切です”と言われるよりも、ズシっと心にくる言葉ですね。

 

こういった言葉に出会った時、その言葉を前に立ち止まれるか立ち止まれないかで、そのときの自分の心の余裕をはかることもできて、余裕のないときは貼り紙に目もくれないだろうし、余裕があるときは思わず立ち止まってしまうと思うんです。

 

他者への想像力が鈍くなってきたとき、それはつまり自分の中に隙間がなくなってきたということ。

定期的に心を点検するためにも、この文章は常に目につくところに書いて貼っておきたいなと。

「そんなこと構っていられるか」と思ったら赤信号、「確かに、そうだなあ...」と思えたら心が健康な証拠なのかなと。

 

年齢の決め手

 

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若さとは何か、老いとは何か。誰もがふと考えたことがある正解のない疑問。

ある人は見た目の若さと答えるかもしれないし、ある人は体力の有無だと答えるかもしれません。

 

筆者も”グランドフィナーレ”という映画を見たあと、「年を取る」ことについて考えこむのですが、はっきりとした「答え」を出す代わりに、「古さ」が「老い」の同義語だという主張には同意できないといった言葉を残します。

感じることや悟ることをすべて放棄して、可能な限り命を引き延ばすことを人生の唯一の目的にした瞬間、生の明るさは消え去って、暗闇のような絶望の影が人を苦しめる。そのとき始めて、本当の老いが始まるのだ。

 

引用:言葉の温度 P237

 

まだ若いのに目が曇っている人もいる一方で、体力は衰えていても生が輝いてみえるお年寄りもいる。

もちろんその逆パターンもあるわけで、年齢によって”若さと老い”が決定されるわけではないんですよね。

 

健康サプリやアンチエイジングに必死になる前に、自分の目を輝かせられるものを知ること、感じることや学ぶことをやめないことのほうがよっぽど老いから遠ざかるんだろうなーと。

 

若さとは何か、老いとは何か。

正解のないこの疑問は一生かけて考え続けないといけない宿題になりそうです。 

 

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 美しいものを美しいと感じるとき

 

ある日フラワー・フェスティバルに行った筆者は、人混みの中で花の美しさを全く感じられず、失望感を抱いたまま帰宅します。

しかしその数ヶ月後、道端に咲く一輪の花の美しさに感動するのですが、ふとフラワー・フェスティバルのときの記憶がよみがえり、自分が美しさを感じることができなかった理由を考えます。

 

そうだ、フラワー・フェスティバルに美しい花がないはずはない。そのような花を見つけて味わおうとする余裕と意志が、私になかったせいなのかもしれない。

(中略)

ふと、あるセリフが頭に浮かんだ。以前、映画を見ていて鳥肌が立ち、本の片隅にメモしておいたものだ。

瞬間、その短い一文が私の頭と胸にあふれ出し、声に出さなくては気がすまなくなった。そこで、次の言葉を声に出して言ってみた。

「美しいものを美しいと感じるとき、私たちは幸せだ....」

 

引用:言葉の温度P270

 

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この話を読んだとき、昔、実家のカレンダーに書いてあったある言葉がジワリとよみがえってきました。

「美しいものを美しいと思えるあなたは美しい」

 

物事がどのように目に写るかは、そのときの心の状態によって大きく変わるということ。

美しいものを純粋に美しいと感じられることは、幸せのバロメーターが高い状態であること。

 

誰しも時に目が曇ることはありますが、人生の大半の時間は美しいものを美しいと感じられる感覚を持って生きられたらいいなと思います。

 

配慮の上に咲く花

 

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相手を「知る」ことが抜け落ちた慰めは、かえって大きな傷を与えることもある。相手の感情を注意深く見極めた上で、悲しみを癒すための温かい言葉を、少しゆっくりしたテンポで口にしても、遅くはないだろう。

引用:言葉の温度P61

 

誰かを応援したり慰めるときに使われる「頑張れ」という言葉があまり好きではなくてですね。

被災地に向けた「頑張ろう日本」などといった言葉を聞くたび、口の中にジュワッと苦いものが広がります。

 

温かいように見えて、実は冷たい言葉のように感じてしまうんです。

いや、十分頑張ってるじゃないかと。むしろ何も言わないほうが慰めになるんじゃないかと。

 

心が弱っている人を目の前にすると、ついつい「何かを言わなきゃいけない」って思ってしまうんですが、相手の傷や感情を理解できないときは、何も言わずにそっとしてあげるほうが大きな慰めになるもの。

ま、かなりの忍耐力と心の余裕を要するので、容易ではないことなんですけどね。

 

そういや数年前、仕事のことで落ち込んでいた私に何も聞かず「とびきり美味しいもの食べにいこっか」と言ってくれた友人がいたんですが、彼女の寛大さには今でも感謝してもしきれません。

あの言葉を温度で表すなら36.5度くらいだったかなあ。

 

 

★★★

ということで今回は韓国エッセイ<言葉の温度>の紹介でした。

仕事ばかりしていたり、同じ環境にずっといたりしていると、どうしても感性や想像力が鈍ってしまいます。

「なんか感性鈍ってきたなー」「人や社会を見る視線が偏ってきたな」という人は、時に誰かの視点を借りて、思考をチューニングする時間を設けてみてください。

筆者の鋭い感覚と言葉のチョイスに、ハッと気づかされる瞬間が必ずあるはずです。

 

 

 

韓国語版はこちら

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