Koguma

自由に生きたい韓国マニアのゆったり生活

日常の些細な発見がつまった韓国エッセイ『無理のない範囲で』

 

こんにちは、そみ(@somi_koguma) です。

 

突然ですが私は他の人の日常を覗くのが結構好きでして。

普段からYoutubeなどでvlogを見るのも好きですし、フォローしている方のインスタのストーリーを見るのも好きですし、日常を綴ったブログを読むのも好きです。

 

そういえば私は昔から、人が何を食べて、何を読んで、何を使っているのか、そういったことに興味があり、子どものときは雑誌の中によく掲載されていた、〇〇さんの1日!〇〇さんの持ち物!みたいなコーナーをワクワクしながら読んでいた記憶があります。

それが平凡なものであればあるほどよくて、「ああ、みんなも平凡な毎日を自分なりのペースで楽しく過ごしているんだなあ」と思ったものです。

 

で、最近読んだ韓国本『無理のない範囲で(무리하지 않는 선에서)』という本も、些細な日常生活を綴ったエッセイでして。

ほっこりするお話から人生について考えさせられるお話まで、私たちの生活と密接した話がたっぷりつまった1冊でした。

 

f:id:schhms:20200509144834j:image

 

ということで今回は、

 

    ・韓国語でエッセイが読んでみたい
    ・ほっこりするお話が好き
    ・日常の些細なことを大切にしたい

 

こういった方におすすめの韓国エッセイ、『無理のない範囲で』を紹介し、印象に残った部分も皆さんと共有したいなと思います。

 

※今回紹介する本は韓国語で書かれた本です。

スポンサーリンク

 

 

 

 

重要じゃないけど必要な時間について

 

このエッセイは、何か大きなテーマがある訳でもなく強いメッセージが込められているわけでもなく、ただ日々の生活の中で筆者が経験したことや考えたことが綴られていまして。

日々の習慣について、家事について、愛用しているものについて、スマホをなくした話などなど、友達とコーヒーを飲みながら話しそうな話題だったり、私たちの日常のようにサラリと流れていくような雰囲気をまとったお話ばかりです。

 

f:id:schhms:20200509153704j:plain

 

そのひとつひとつの小さな出来事は、どれも人生に絶対に重要なものではないから、つい適当に流してしまいがちなんですが、そういった出来事が自分の内面を映し出す鏡になってくれることもあるんですよね。

 

緊急時に真っ先に切り捨てられるのは、こういった些細な出来事ですが、不要と言われがちなことこそが豊かな生活の栄養源になっていたりするものです。

 

遊びより仕事、勉強。非効率なことより効率的なこと。楽しいことよりも、自分のスキルになること。

そうやって無駄を切り落としがちな現代人に必要な視点を与えてくれるエッセイでした。

 

살다 보면 좋은 날도, 그렇지 않은 날도 있다. 좋은 날을 즐기는 법과 그렇지 않은 날을 견디는 법을 배우며 살고 있다. 

이 책에 쓴 이야기들은 모두 그런 이야기들이다.

 

引用:『무리하지 않는 선에서』P7

(以下、私が意訳した文です。) 

 

生きていれば良い日も、そうでない日もある。良い日を楽しむ方法と、そうでない日を耐える方法を学びながら生きている。

この本に書いた話は全て、そういった話ばかりだ。

 

f:id:schhms:20200509153655j:plain

 

 もし自由に自分のために使える100万ウォンがあったら

 

先ほども書いたように、この本に書かれているエピソードはどれも日常の些細なことばかりでメッセージ性はあまり強くないです。

でもそういった些細なことを通じて、「あなたならどう考えますか?」「あなたならどうしますか?」と小さな課題を投げかけられているような気分になりました。

 

特に印象に残ったのは、もし100万ウォンが自由に使えるなら?と筆者が想像を巡らす部分。

 

나에게 오로지 나 자신만을 위해 쓸 수 있는 100만원이 생긴다면, 반드시 자신만을 위해서 써버려야 하는 돈이라면, 그 돈을 무조건 낭비해버려야 한다면 , 그렇다면 그걸 어디에 쓰지?

引用:『무리하지 않는 선에서』P66,69

(以下、私が意訳した文です。)  

 

自分だけのために使える100万ウォンがあったら、そしてそれは必ず自分のためだけに使い切らなければいけないお金なら、そのお金を絶対に無駄遣いしなきゃいけないのなら、どこに使うだろうか。

 

ーーーーーーー

著者は使い道をあれこれ悩んだ末、ちょっと高級なパン屋で好きな思いっきりパンを買って、のんびりと家に帰ることが理想だと答えます。

 

もし私ならどうするか。

しばらくそのページで悩んだのですが、結論は”海外航空券とホテルを予約する”でした。

 

自分の価値観や好みは何か、これからどんな方向に進んでいきたいのか。

忙しい生活で見逃してしまいそうな事柄について考えるきっかけを与えてくれる。

そんなエピソードでした。

 

何を着て、何を食べ、何を考えて生きるか

 

夜中にいきなり髪を切る話、散歩をしていて考えたこと、シチューを作っているとき考えたこと、服選びの哲学、家の中の虫を見て考えたこと....などなど、とりとめもない筆者の日常ですが、どの瞬間も穏やかで安定した幸福感が漂っているのが印象的でした。

派手じゃないし自慢できるような生活ではないけど、自分なりのペースでこだわりを持って生活している姿、小さなことにも考えを巡らせている姿がとても素敵。

 

油断したら見逃してしまいそうな瞬間を、どうすればここまでうまくキャッチし、考察できるんだろう、と筆者の感性の鋭さに感嘆しながら読み進めました。

 

f:id:schhms:20200509153648j:plain

 

とはいえ、筆者もひとりの人間。

たまに無気力感に襲われたり、不安になったり、大きい体にコンプレックスがあったり、びっくりするような行動にでたりと、筆者の人間味あるエピソードにもフッと口元が緩むことも。

 

나는 20대와 30대의 겨울 대부분을 스웨터를 입지 않고 보냈다. 

어깨가 넓고 체구가 커서 스웨터를 입으면 더 커 보일까 두려웠던 것이다. 

引用:『무리하지 않는 선에서』 P102

 (以下、私が意訳した文です。) 

私は20代と30代の冬の大半をセーターを着ずに過ごした。肩が広くて、体格もいいから、セーターを着るともっと体が大きく見えそうで怖かったのだ。

 

40대 주부 한 모 씨의 인생은 이러한 무한반복이다.

특별한 일 따위는 일어나지 않는다. 재미있는 사건도, 딱히 의미 있거나 보람 있는 일도 하지 않는다. 매일 똑같다. 

引用:『무리하지 않는 선에서』P40

(以下、私が意訳した文です。)  

40代主婦ハンさんの人生は無限ループだ。

特別なことなど起こらない。面白い事件や、有意義でやりがいのあることもしない。毎日同じことばかりだ。

 

ーーーーーーー

 

人生うまくいかないなーと悩んでいるときに本当に励まされるのは、他者の成功秘話や華やかな生活ではなく、いろんな感情を抱えたまま生きてる人の姿だったりするんですよね。

 

みんなそうやって平凡なまま生きてるんだなと。

いろんな問題を抱えながらも、それでもそのまま生きてもいいんだなと。

 

人の人生と自分の人生を比べるのはよくないけど、時に誰かの人間味ある日常を目の当たりにしてホッとすることだってありますよね。ああ、私だけじゃないんだって。

自分だけが直面している問題だと思い込んでいると、その問題がとても大きく見えるけど、他の人も同じことを抱えているってことを知ると客観的に見られるようになるというか。

 

頑張れ!あなたなら乗り越えられる!と言われるよりも、私はそっちのほうが心地良い慰めかなと。

 

だから私は、プレッシャーのない柔らかな慰めがつまったエッセイが好きなのかもしれません。

 

f:id:schhms:20200527142347j:image

 

スポンサーリンク

 

 

もう1周走れそうなときに立ち止まる

 

쓸데없이 애쓰지 않는다. 내 한계를 받아들인다. 내 페이스를 유지한다. 뭐든 천천히, 꾸준히 해나간다. 한 번에 한 걸음씩 옮기면 어려울 것은 없다. 무엇보다 중요한 건 무리하지 않는 것이다. 나처럼 열정도, 에너지도 평균 이하인 데다 별 재능도 없고 대범하지도 않은 사람이 오래 일하려면 무리해서는 안 된다. 

引用:『무리하지 않는 선에서』P79 

 (以下、私が意訳した文です。) 

 

無駄に頑張ろうとしない。自分の限界を受け入れる。自分のペースを維持する。何をするにもゆっくり、根気強くやりとげる。一度に一歩ずつ進めば難しいことはない。なによりも大切なのは無理しないことだ。私のようにやる気もエナジーも平均以下な上に、これといった才能もなく大胆でもない人が、長く働こうとすると無理してはいけないのだ。

ーーーーーーー

 

筆者はパニック障害になったことがあるそうで、その経験があってか、”無理をしてはいけない”、”自分のペースで進もう”といったメッセージが何度も登場します。

 

実は私も不安障害に苦しんだ時期があるんですが、心が崩れてしまうことって一瞬なんですよね。

前日までなんとか乗り切れていたのに、次の朝、涙が止まらなくなってベッドから起きられなくなるんです。

だから常に余力を残し、今日も明日もその先の人生も気分よく健康に過ごせるペースを維持しなければいけないと常々思っていまして。

 

筆者のように、幸せでも不幸でもない日々の生活、無理なく楽しさ重視で生きたいなと。

 

f:id:schhms:20200527142357j:image

 

ちなみにこの本の著者とは非常に共通点が多くてですね。

長身だったり、美容室で髪を切ってもらうのが嫌いだったり、散歩が好きだったり、気力も体力も少なめだったりと、これは自分の話かと思う部分が多々ありました。 

 

世代も国も違うけど、感性が似た仲間に出会えた気分です。

これからもずっと大切に本棚に並べ、何度も読み返そうと思っています。

 

★★★

 

ということで今回は『無理のない範囲で』 の紹介でした。

内容はもちろんのこと、イラストも色合いも素敵なエッセイです。

日常エッセイがお好きな方は是非読んでみてくださいね!

 

スポンサーリンク

 

 

関連記事