Koguma

自由に生きたい韓国マニアのゆったり生活

【韓国エッセイ】キム・スヒョン作家の新作『애쓰지 않고 편안하게 (頑張らないで気楽に)』を読んでみました。

 

こんにちは、そみ(@somi_koguma) です。

 

最近Twitterにも書いていたのですが、『私は私のままで生きることにした』で話題となったキム・スヒョン作家の新作エッセイ、『頑張らないで気楽に』を先月末に購入しまして。

 

毎日少しずつ読み進めようと思っていたのですが、めちゃくちゃ共感できる文章に夢中になり5日ほどで読み終えてしまいました。  

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著者、キム・スヒョンさんの前作『私は私のままで生きることにした(나는 나로 살기로 했다)』は、今まで何度読み返したかわからないくらい愛読しているエッセイでして。

3年前、大学を卒業しフリーランスの道を歩みはじめたときにこの本の中の言葉にかなり励まされました。

2017年の夏に韓国に少し住んでいたのですが、その時に書店でこの本がたまたま目にとまり、夢中になって読んだのを今でも覚えています。

 

前回のエッセイの内容がとてもよかったため、今回の新作エッセイは一瞬たりとも迷うことなくポチリ。

予想通り、20代30代の若者が抱えがちな悩みを優しく包みこんでくれる、温かみのある内容に仕上がっていまして。

ああ、これは読者さんにも是非とも読んでもらいたい!!!と思い、今日もパソコンの前に座ったわけです。

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ということで今回は、

 

    ・人間関係の悩みがたくさんある
    ・自分らしさを守りつつも柔軟に生きたい
    ・読みやすい韓国エッセイを探している
    ・前作『私は私のままで生きることにした』に励まされた

 

といった方におすすめの韓国エッセイ、『애쓰지 않고 편안하게(頑張らないで気楽に)』を読んだ感想と印象に残った文章を紹介していきたいなと思います。

 

※今回紹介するのは韓国語で書かれた本です。

 

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애쓰지 않고 편안하게 (頑張らないで気楽に) 

 

『애쓰지 않고 편안하게 (頑張らないで気楽に)』は主に、20代30代の若者が抱えがちな人間関係の悩みについて書かれたエッセイ。

人目を気にしてしまう、無礼な人の対処法がわからない、気持ちをわかってくれない友人にモヤモヤする....などなど、誰もが一度は苦しんだことがある悩みにふれられており、自分を守りながらもバランスの良い人間関係を築くヒントがつまっている1冊でした。

 

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キム・スヒョン作家特有の正直でユーモアのある言葉遣いは、まるで友人や恋人と話しているかのような親近感があり、本書のタイトルのように肩の力を抜いて気楽に読める印象でした。

肩を優しく包んでくれるような温かい言葉、狭くなっている視点を広げてくれるアドバイスがたくさん詰まっていて、ページをめくるたびに、凝り固まった考えや漠然とした不安が少しずつ緩まっていく感覚がありました。 

 

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このエッセイは全部で6章からなっています。

 

  1. 휘둘리지 않고 단단하게
  2. 애쓰지 않고 편안하게
  3. 신경질 내지 않고 정중하게
  4. 쫄지 말고 씩씩하게
  5. 참지 말고 원활하게
  6. 냉담해지지 말고 다정하게

 

全体的に人間関係に関する内容で、1章2章には自尊心や自分らしさを守るための心構え、3章と4章には他者とのバランスのよい関わり方のヒントが。

そして5章には自分の感情や考えを表現することについて、最後の章には幸福、愛について書かれていました。

 

1文が比較的短めに切ってあったり、ひとつのセクションも簡潔にまとめられていたりと読みやすさを意識した仕上がりになっていたので、活字ぎっしりが苦手な方にもおすすめできるエッセイかなと思います。

正直、読みやすさを重視したエッセイは内容が薄っぺらい印象を受けるのですが、このエッセイの場合は多様な引用、研究結果、体験談などが絶妙なバランスで盛り込まれていて最後まで読み応え抜群。

読みやすさと読み応えのバランスをうまくとった1冊だなと思いました。

 

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ではここからは印象に残った部分をいくつか紹介したいなと。

 

相手の人格=私の価値ではない

 

'왜 나는 이런 대접을 받을까?'

'왜 그 사람은 나를 싫어할까?'

이때, 많은 이가 그 답을 자신에게만 찾으려 하는 오류를 범하다.

'내가 부족해서서'

'내가 매력적이지 않아서'

'내가 집안이 좋지 않아서'

이를 심리학에서는 개인화라 표현하기도 하는데,

나와 상관없는 일까지 나에게 원인이 있는 것처럼 생각하는 것이다.

引用:『애쓰지 않고 편안하게 』김수현 p125

 以下、私が意訳した文です。 

(なぜ私だけこんな扱いを受けなきゃいけないのか?なぜあの人は私を嫌うんだろう?このとき、多くの人がその答えを自身の中で探そうとする過ちを犯してしまう。私が未熟だから。私が魅力的じゃないから。私の家柄がよくないから。これを心理学では個人化と表現する。これは、自分と関係のないことまで自分に原因があるかのように思ってしまうことをいう。)

 

때론 우리의 행동을 돌아보는 노력도 필요하고, 상처가 생기는 건 어쩔 수 없겠지만, 적어도 상대의 문제까지 내 문제로 끌어오지는 않아야 한다.

상대의 기분은, 상대의 태도는, 그리고 상대의 인격은 당신의 진실이 아니다.

引用:『애쓰지 않고 편안하게 』김수현 p127

 以下、私が意訳した文です。

(時に自分達の行動を振り返る努力も必要であるし、時に傷つくのも仕方がないことだ。しかし少なくとも相手の問題まで自身の問題のように考えるべきではない。相手の気分、相手の態度、そして相手の人格はあなたの真実ではないのだ。)

 

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「なんでそんな意地悪なこと言うの?」「なにもしていないのにどうして嫌われるの?」「あの人の機嫌が悪いのは、もしかして私のせい?」と相手と自分の境界線を曖昧にしてしまう。これは私も長年の癖でして。

相手の行動や人格、気分は、様々な要因で変動するのに、ついついわたしのせいだって思ってしまうんですよね。

 

つい最近も契約している会社の担当者と話しているとき終始口調がきつくて、何か悪いことしたかなと気にしていたのですが、あとから風邪で辛かっただけってことがわかって「ああ、また勝手に相手と自分を繋げちゃったな」と反省していました。

 

人間関係は白か黒かで判断できるものではないし、常に俯瞰的に長期的に見る必要があります。

 

頭ではわかっていても渦中にいるときは、ついつい自意識過剰になっちゃうので、定期的にこの文章を読み冷静さを取り戻したいなと思いました。


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鈍感力という慰め

 

내가 처한 입장에 따라 상대의 말과 행동을 다르게 해석하는 거다. 누구의 잘못이라기보다는 그저 타이밍의 문제일 수 있기에 상처받는 것보다는 약간의 둔감함이 필요하다.

引用:『애쓰지 않고 편안하게 』김수현 p130

  以下、私が意訳した文です。

(置かれている立場によって、相手の言葉と行動を解釈するのだ。誰かの過ちというよりは、ただタイミングの問題であるため、傷つくよりも、少しの鈍感さが必要だ。)

 

문요한 정신건강의학과 전문의는 한 강연에서 "지금까지 나에게 크게 상처를 준 사람은 누구입니까?"라고 물으면 많은 사람이 어렵지 않게 답한다고 했다.

그런데 "지금까지 당신 때문에 크게 상처받은 사람은 누구입니까?"라고 물으면 좀처럼 대답이 없다고 했다.

引用:『애쓰지 않고 편안하게 』김수현 p130

  以下、私が意訳した文です。

 (ムン・ヨハン精神健康医学科専門医のある講演で、「今まで私を大きく傷つけた人は誰ですか?」と尋ねると、多くの人が難なく答えるという。しかし「今まであなたのせいで大きく傷ついた人は誰ですか?」と尋ねるとなかなか答えが返ってこないそうだ。)

 

우리는 나 혼자 상처받았다고 생각하며 자기 연민과 분노에 빠지지만, 우리가 받은 상처를 상대가 전부 알지는 못하는 것처럼, 우리 역시 우리는 모로게 누군가에게 상처를 줬다.  누군가에게 상처를  준 순간, 상대가 '그럴 수도 있지' 라고 이해해준다면 '네가 나쁜 마음으로 그럴 리 없다'고 생각해준다면 우리에게 얼마나 큰 위안이 될까.

引用:『애쓰지 않고 편안하게 』김수현 p131

  以下、私が意訳した文です。

(私たちは自分ひとりだけが傷ついたんだと、自身を憐み、憤慨するが、私たちの傷の全てを相手が知らないように、私たちも知らず知らずのうちに誰かを傷つけている。でも誰かを傷つけた瞬間、相手が「そういうこともあるだろう」と理解してくれるのなら、「悪意をもってしたはずがない」と考えてくれるのなら、私たちにとってそれほど大きな慰めになるものはないだろう。)

 

ーーーーーーーーー

誰かが自分を傷つけることには敏感だけど、自分が誰かを傷つけることには鈍感。

これ、私も含めて、多くの人がギクッとする言葉なんじゃないかなと思います。

 

「相手は私を傷つけようとして言っているのじゃないかも」「今置かれている状況やタイミングの問題かも」「自分のなにげない言葉も、誰かを傷つけているかも」と、お互いがちょびっと寛大なマインドを持つだけで壊れない人間関係もあると思うし、勝手な被害妄想も止められるんですよね。

 

もちろん中には意図的に傷つけようとしてくる人もいるから、そこには断固とした態度をとらなきゃいけないけど、少なくとも仲の良い友人や恋人、家族には少し鈍感なマインドで接することも必要なのかなと。


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感情を表現する練習

 

갈등을 피하기 위해 침묵하는 건 그저 갈등을 다른 형태로 만드는 것이고, 분노로 관계를 망가트리거나 참다가 병이 나는 것도 모두 건강한 자기표현을 배우지 못한 비극인 것이다.

引用:『애쓰지 않고 편안하게 』김수현 p195 

 以下、私が意訳した文です。 

(葛藤を避けるために沈黙するのは、ただその葛藤を違う形に変えるだけである。怒りで関係を壊したり、我慢していて病気になったりするのも全て、健康的な自己表現を学ばなかったことで起きる悲劇なのだ。)

 

갈등을 만들지 않는 것보다 중요한 건 갈등을 해결하는 방법을 배워가는 것이며, 갈등을 이야기하고 해결할 수 있을 때, 이 정도에는 관계가 깨지지 않는다고 안심할 수 있다. 그리고 그 안도감을 우리는 신뢰라 부른다.

引用:『애쓰지 않고 편안하게 』김수현 p204,205

  以下、私が意訳した文です。

(葛藤を作らないようにするよりも大事なのは、葛藤を解決する方法を学んでいくことであり、相手と葛藤について話し、解決できたときに初めて、これくらいでは関係にヒビが入らないのだと安心できる。そしてその安堵感を私たちは信頼と呼ぶのだ。)

 

ーーーーーーーーー

私は正直な人が好きでして。

それは無礼なこともズバズバと言う厚かましい人ではなく、自分が何を感じたか、何を思ったかを相手にちゃんと伝えられる人のことですね。

相手に空気を読ませる形でわかってもらおうとしない人。自分の気持ちを丁寧に説明する手間を省かない人。

 

そういう人に出会ったら「お、この人は信頼できるな」と思うし、同時に自分も相手にとってそういう人でありたいと強く思います。

 

葛藤を避け、ないことにするのは楽な方法だけど、それだけじゃいつまでたっても信頼できる人は現れない。

私はこのことに気づくのがすごく遅くて、20代前半まで自分は信頼できる人がいないって思っていたんですが、実はこっちが心を開いていなかったんですよね。丁寧に気持ちを伝える努力を怠ってた。

 

仲良くなりたい!と思う人には、葛藤を隠すよりも表現したほうがいいですし、私も今いる友人達のほとんどが正直に話し合う過程を経て仲良くなった人ばかりです。

人間関係の基本ですが、話し合う、表現するって本当に大切なんだと思います。

 

空気に頼りがちな人はある程度練習が必要なのですが、深い付き合いができなくて悩んでいるのなら是非とも試してほしいです。


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★★★

ということで今回は韓国エッセイ、  『頑張らないで気楽に』 の紹介でした。

今回紹介した文章はほんの一部でして、これ以外にもハッとさせられる言葉が数多くありました。

前作同様こちらのエッセイも大切に保管して、また心が揺らいだときに読み返したいなと思います。

 

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ちなみに邦訳版の刊行もすでに決定しているそうで、韓国出版史上最高額で輸出されたというからもうびっくりですね。

前作が、BTSのメンバーが読んでいることで話題になり、20万部以上も売れたそうで。今回もその影響が大きいのかな。.......K-POPの威力、すごい。

 

もちろんキム・スヒョンさんの本も素晴らしいですが、韓国本オタクとしては、「まだまだ日本で知られていない良い本もあるから、K-POP関係なく読まれてくれ~!」とも思いますが......きっかけが何であれ、邦訳版がどんどこ刊行され韓国本が注目されているのは、ほんと嬉しい限りです。

 

現時点では邦訳版の発売日などは把握していませんが、また発売されたら原作と読み比べたいなと思っています。

邦訳版が待ちきれない!という方は是非、こちらの原作を読んでみてくださいね。

 

前作の『私は私のままで生きることにした』もとても良い内容なので、まだ読んでおられない方はこちらも合わせて読んでみてください!

 

邦訳版▼

 

韓国語版▼

 

 

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