Koguma

自由に生きたい韓国マニアのゆったり生活

韓国エッセイ『おかしくて自由なおばあさんになりたい』社会の隅っこで人生を完成させていく心構えについて。

 

こんにちは、そみ(@somi_koguma) です。 

 

以前からブログを読んでくださっている方はすでにご存知かと思いますが、私は子供のときからずっと社会に馴染めたためしがなくてですね。

 

HSP、リスロマンティック傾向、不安障害などなど、マジョリティーが作った社会からいつもちょっぴりはみ出てしまう特徴を抱えているので、生きづらさからの脱却は一生のテーマになっています。

 

そういうこともあって、世間からちょっと距離を置いて生きている人を見つけると「あ、ここにも仲間発見!」と嬉しくなり、その方のSNSやブログ、インタビュー、著書まで全て熟読しちゃいます。

 

で、最近も社会の隅っこで幸せに生きている方のエッセイ『おかしくて自由なおばあさんになりたい 』を読んだのですが、これまた生きづらさを抱えている人にはすごく慰めになる内容だったので、今回も皆さんに共有したいなと。

 

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※今回紹介する本は韓国語で書かれた本です。 

 

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おかしくて自由なおばあさんになりたい 

 

今回紹介する『이상하고 자유로운 할머니가 되고 싶어 おかしくて自由なおばあさんになりたい 』は、みんなが正常だと思っている生き方から一歩距離を置いた生き方をしている著者が、絵本に出てくる話をベースに自身の人生を語っているエッセイ本。

 

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非婚女性として、フリーランスとして、愛猫家として、菜食志向主義者として、絵本を読む大人として、世間の隅っこから静かに世を見つめ、自身の人生を完成させていくための心構えについて書かれています。

 

この本は全5章からなっていまして。

 

  1. 人生は旅行ではないが
  2. 世界の果てにいる君へ
  3. その森にファンタジーが生きている
  4. 猫という名の門
  5. そうしておばあさんになる

 

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1章には小さな冒険と人生の可能性について、2章には一見異常に見える人たちの人生について、3章と4章には自然と動物たちについて、そして5章には老い、人生を完成させていく過程について筆者の希望と意思が書かれています。

 

私はこの本のタイトルと、”非婚、フリーランス、女性”というキーワードを見た瞬間、これは読まなければ!とすぐ購入。 

はじめはよくある人生論系のエッセイかなと思っていたのですが、今まで読んできたエッセイとは一味違う、絵本の世界と人生の哲学、自然が入り混ざった新しい感覚の1冊でした。

6月〜7月はこの本の世界にどっぷり浸かりながら、自分の人生について、世の中について、社会から見捨てられがちなことについて、自然と動物について考える時間が長かった気がします。

 

絵本を通じて、自身の人生を完成させていく

 

著者自身、日頃おとな達と絵本会を開いていることもあり、このエッセイには絵本の話がたくさん出てきまして。

はじめは「大人が絵本?どうして?」と思ってしまったんですが、この本を読んで絵本の力を再認識しました。

絵本の短い文、絵の中にどれだけ多くのメッセージが込められているか、人生に必要な哲学がどれだけ詰まっているか。

子供の頃はその世界に夢中になっていたのに、大人になった私はすっかり絵本の魅力を忘れていたんですよね。

初めは「へえ、絵本かあ...」とあまり食いついていなかったんですが、読み終わる頃には手元のメモに読みたい絵本リストが完成しちゃってました。

 

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筆者は、飾らない姿で自由に生きられる大人、冒険と成長を続けるおかしくて自由なおばあさんになりたい。衰退ではなく人生を完成させていく心構えで老いていきたいと語っています。

 

筆者の言葉は時に現実的ではなく理想のように聞こえるのですが、それでも彼女の柔らかくも強固な信念のこもった言葉を愛さずにはいられませんでした。

 

ではここからは心に残った文章を少し紹介します。

 

世界は広くて君は小さいという言葉

 

세상에서 가장 위험한 사람은 ' 책을 단 한 권만 읽은 사람 ' 이라는 말이 맞다. 이제 막 하나를 알게 된 사람, 혹은 남들보다 하나를 더 안다고 믿는 사람의 확신이란 얼마나 무서운 것인가. 무지하다는 겸손을 상실한 인간의 오만이란 얼마나 폭력적인가.

 

자라는 동안 내 인생에 쏟아졌던 어른들의 충고 가운데 지금 나에게 남아 있는 것은 별로 없다.

 

살아보니 경험의 총량에 비례하는 지혜도 있다는 것을 알게 된다. 그럼에도 나를 어딘가로 움직이게 하고, 다시 설 수 있도록 일으켜 주었던 말들은 언제나 나를 잡아끄는 말이 아니라 나를 안아주는 말이었다. 

 引用:『이상하고 자유로운 할머니가 되고 싶다 』P19

 以下、私が意訳した文です。 

 

(この世で一番危険な人は、'本をたった1冊だけ読んだ人'だ。あることを知ったばかりの人、または他の人よりもあることをよく知っていると信じる人の確信ほど怖いものはない。自分は無知だという謙遜を失った人間の傲慢さは非常に暴力的だ。)

(成長の過程で私の人生に降り注いだ大人達の忠告の中で、今の私に残っているものはあまりない)

(生きていると経験の総量に比例する知恵があることにも気づく。それでも、私をどこかに突き動かし、再び立ち上がれるようにしてくれた言葉はいつも、私を引っ張る言葉ではなく、包み込んでくれる言葉だった。)

 

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誤解され、疎外されるものたち

 

핵가족이 정상이 되면 비혼자, 동성애자,다문화 가족, 미혼모와 미혼부는 자연히 정상 밖으로 밀려난다.

이상한 것들은 자주 오해받고 소외된다. 그런데도 나는 자꾸 이상한 것에 마음이 끌린다.

노력의 방향이, 모두가 정상에 속하게 만들기보다는 누구도 어디에도 속할 필요가 없게 만드는 쪽으로 움직였으면 하는 마음도 있다.

 

 引用:『이상하고 자유로운 할머니가 되고 싶다 』P73

以下、私が意訳した文です。 

 

(核家族が普通になると、非婚者、同性愛者、多文化家族、シングルマザー、シングルファザーは自然と普通の外側に追いやられる。) 

(普通ではないものたちはよく誤解され、疎外される。しかし私はそういったものたちに心が惹かれるのだ。)

(努力の方向が、全ての人が”普通”に属するようにではなく、誰もがどこへも所属する必要がない方に向いてくれればと思う。)

 

선택의 순간마다 우리가 쉽게 내던지고 외면했던 것들이 있다. 약한 것, 다른 것, 느린 것, 돈이 되지 않는 것, 불편한 것, 나누는 것, 그렇게 뚫린 크고 작은 구멍들이 이제는 거대한 허공처럼 우리가 설 땅을 모두 잠식해 버렸다.

 

 引用:『이상하고 자유로운 할머니가 되고 싶다 』P157-158

以下、私が意訳した文です。  

 

(私たちが何かを選択するたび簡単に投げ出し、無視してきたものがある。弱いもの、違うもの、遅いもの、お金にならないもの、不便なもの、分かち合うこと。そうして空いた穴たちが巨大な宙のようになり、私たちが立っている場所を蝕んでしまった。)

 

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著者はこの本の中で、世間が考える”普通”から少しはずれた存在についてたくさん言及しています。

非婚者やLGBTの人、障がいを持った人、そして人間以外の自然、動物の存在についても。

 

数多くの絵本を元に、無残な扱いをうける家畜、実験台にされる動物たち、交通事故でなくなる動物達の話、伐採される木々など、私たちが享受している便利さの裏側にいる存在に言及し、本のいたるページに著者の信念や考えがちりばめられていました。

 

また、私はベジタリアンの方の声を聞く機会が今まであまりなかったのですが、筆者が菜食志向主義になった背景を知ったことで、食卓に並ぶお肉や何気なく消費しているものの裏側を考える時間が今まで以上に長くなりました。

 

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非婚ですが

 

내가 아는 어른 중에는 비혼으로 사는 어른이 없었다. 아무도 나에게 결혼하지 않고 혼자서도 잘 사는 방법같은 것은 알려주지 않았다. 방법이 없으니 스스로에게 수없이 묻고 또 물었다. 그럼에도 불구하고 30대를 통과하는 동안 내 결정은 어디서도 제대로 존중받지 못했다. 나는 책으로 도망쳤다. 책 속에는 나를 비난하는 목소리가 없었다.

 

 引用:『이상하고 자유로운 할머니가 되고 싶다 』P171 

以下、私が意訳した文です。  

(私が知っている大人の中で、非婚者として生きている大人はいなかった。誰も私に結婚しなくても幸せに生きる方法を教えてくれなかった。方法がないから、数えきれないほど自分に問いかけた。しかし30代の間ずっと、私の下した決断をちゃんと尊重してくれる場所はなかった。だから私は本の世界に逃げた。本の中には私を非難する声がなかった。)

 

내가 '그럼에도 불구하고' 했던 많은 선택은 대부분 자유롭고 싶어서였다. 자신의 삶을 자기의 의지대로 자유롭게 완성해 나가는 것, 생각만 해도 멋진 일이다.

 

 引用:『이상하고 자유로운 할머니가 되고 싶다 』P204

以下、私が意訳した文です。  

 

(私は自由でありたかったから、多くのことを ”〜にもかかわらずあえて” 選択した。自分の人生を自分の意思で自由に完成させていくこと、考えただけでも素敵なことだ。)

 

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著者の言葉には、老いること=衰退、自然や動物・弱いもの・少ないもの=人間が支配していいもの、といった想像力を欠いた傲慢な考え方を覆すパワーが満ち溢れていました。

穏やかに猫と暮らし、絵本を読み、親しい人と喜びを分かち合い、常に自身の世界を拡大させている筆者。

柔らかくも強固な信念を持った彼女を見ていると、不思議と自分の人生の地図も少しずつ拡大していくような感覚に陥りました。

 

 

★★★

 

おかしくて自由なおばあさんになりたい - ムルの大人のための絵本の読み方』 はここ数年読んだ韓国エッセイの中でも一味違う世界観で、のめりこんで読んじゃいました。

まだ自分の知識や経験が追いついていなくて、ピンとこない部分もあったので、大切に本棚に保管し、たびたび読み直したいなと思います。

 

    ・絵本が好きな方
    ・自然や動物との共生について考えたい方
    ・社会で生きづらさを感じている方

 

に強くおすすめしたいエッセイです。

この本が、遠いようで近いものたちについて考えるきっかけになってくれるはずです。

 

韓国語 エッセイ 『おかしくて自由なおばあさんになりたい - ムルの大人のための絵本の読み方』 著:ムル(パク・ソヨン)
by カエレバ

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