韓国エッセイ『実は内向的な人間です ー 今日も社会性ボタンを押すあなたへ』は内向的な人のための癒し本です。

※本ページはプロモーションが含まれています

 

皆さん、こんにちは。そみ(@somi_koguma) です。

 

フォロワーさん、読者さんはすでにお察しでしょうが、私は典型的な内向的な人でして。

家大好き(コロナの影響もあってかれこれ5ヶ月くらい引きこもり中)、対人エネルギー少なめ、不安と恐怖を抱えがち、ひとり大好き、刺激の強い遊びは苦手...などなど、極度の内向的人間です。 

ま、だからSNSとかブログを中心に活動しているんですけどね。

 

これは生まれ持った気質だから、無理に克服しようなんて思ってないんですが(それさえもエネルギー不足で無理)、たまに「うわあああ、生きづらああ」と憂鬱な気持ちでいっぱいになって、根っから明るくてアクティブな人を羨むこともありまして。

 

ま、そんなときはいつものように本を読んで落ち着かせているんですが、最近読んだ韓国のエッセイ『実は、内向的な人間です - 今日も社会性ボタンを押すあなたへ』 も、内向的な人が静かに、自由に、楽しく生きる方法について書かれている1冊で「これは....私の話だ(号泣)」となりまして。

 

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日頃ブログを読んでくださっている方の中にも、同じく内向的な方がたくさんいるだろう!と勝手に想定し(笑)今回もこの本の印象深かった部分などを紹介していきたいと思います。

 

※今回紹介する本は韓国語で書かれた本です。

 

【追記11/18 邦訳版も刊行されました】

 

 

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実は内向的な人間です ー 今日も社会性ボタンを押すあなたへ


この本はタイトルの通り内向的な著者が内向的な方のために書いたエッセイ。

内向的な人なら一度は経験したことのあるエピソードや、アクティブな人が好まれる社会で自分らしく生きるためのアドバイスなどが詰まった1冊です。

 

”消耗は速く充電は遅い、あなたの胸の内” 

このフレーズだけでも何だかグッときますよね....

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このエッセイは、筆者の体験談を元に話が進んでいくのですが、例えば 

  • 友人との集まりは少人数派
  • 人間関係は狭く深く
  • 過剰な気遣いは負担になる
  • 美容師さんに話しかけられるのが苦手
  • 頭の中でずっと考えてしまって行動に移せない
  • 家の狭い空間で全てを完結させたい

 

などなど、何とも内気なエピソードに「はい、私もです」と何度も共感のため息を吐いちゃいました。

筆者の感じていることが手に取るようにわかってしまって、一緒に「それ、辛いよねえ」とひとりでぶつぶつ言ってました。

極度の内向型人間だと自負(?)していますが、この本を読んで著者もなかなかの内向型でしたね(笑)

 

ま、多少の差はあれ、内向的な人ならどれも「ああ、あるある」と思わずうなづいてしまうエピソードなんじゃないでしょうか。 

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また著者が長年にわたって考えぬいた苦手な場の回避法や、妥協点もたくさん書かれていて、その中には内向的な人がこの猛獣だらけ(?)の社会で幸せになるためのヒントが数多く隠されていました。 

 

内向的な人って社会ではマイナスに見られがちだからか、ちょっと卑屈になってしまってることもあるんですよね。

だから考えすぎて、同じところをぐるぐる回ってるってこともあるので、新しい考え方を頭に入れるのも必要です。 

 

著者は私たちと同じく内向的な方なので、的外れなアドバイスをすることもない。

周りの人に相談しても理解してもらえなかった...しっくりいくアドバイスがもらえなかった....という人にとっては、味方を見つけられたような気分になるんじゃないかなと。


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ミニコーナーも魅力的

 

このエッセイは全部で4つのチャプターに分かれているのですが、1つのチャプターの中に2〜3回、ミニコーナーがあります。

 

例えば自分の内向度チェックができるコーナー、内向型さん特有の悩みに著者が答えるQ&A、実は内向的だった偉人の紹介、内向的な人の些細な楽しみ方、内向的な人にプレゼントしたら喜ばれるものなどなど。

本文の間に可愛らしいイラストと一緒にいろんなミニコーナーがあるので、本を読むのが少し苦手な方でも退屈せずに読み進めることができるかなと。

 

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ではここからは印象に残った文章をいくつか紹介しようかなと。

 

内向的な人は、無口で人が嫌いなのか

 

内向的な人が一番不本意に思っているのが、内向的な人に貼られがちな”無口で人と話すのが嫌いな人”というレッテル。 

内向的な人が苦手とするのは、大勢の人や初対面の人とコミュニケーションをとるときの疲労感であって、人自体が嫌いなわけではないんですよね。(個人差はありそうですが、少なくとも私と私の周りの内向型さんはそうです。)

それに関しては著者も同じようなことを書いています。

 

내성적인 사람이 편한 상대를 만나 말문이 트이는 것을 보고 주변에서 깜짝 놀라는 상황을 자주 목격하는데 당연한 일이다. 내성적인 사람은 사실 선택적인 수다쟁이다. 만족스러운 반응이 예상되는 익숙한 상대에게만 제대로 입을 연다.

引用元:ナム・インスク著『実は内向的な人間です ー 今日も社会性ボタンを押すあなたへ』p27 

 以下、私が意訳した文です。 

 

(内向的な人が楽な相手の前でおしゃべりになる様子を見て、周りの人が驚くという状況をよく目にするのだが、これは当然のことだ。内向的な人は実は、話す相手を選んでいる。満足のいく反応が返ってきそうな慣れた相手にだけに口を開くのだ。)

 

무엇보다 사람과의 상호작용 지체가 내향인에게는 커다란 자극인데 한꺼번에 여러 방향의 상호작용을 하자니 생체 배터리가 급속도로 방전되는 건 당연한 일인 것이다.

引用元:ナム・インスク著『実は内向的な人間です ー 今日も社会性ボタンを押すあなたへ』p75

以下、私が意訳した文です。  

(人との相互作用は、内向型人間にとって何よりも大きい刺激となる。だから一度にあらゆる方向との関係を維持しようとして、身体のバッテリーが急速に消耗してしまうのは当然のことだ。)

 

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 ーーーーー

私も著者同様、大勢の人や初対面の人の前では大人しくて、親しい人の前ではめちゃくちゃ饒舌になるタイプ。

だからよく「第一印象は大人しそうな人だったのに、親しくなればなるほどやばい奴だということに気づいた...」と言われることがあります。

何と言うか、心を開くまでに時間がかかるタイプで、いろんなトラウマからすぐに人を信用できないという厄介な癖があります。

だからといって人に会うのが嫌いなわけではなく、話すのは大好き。でもいろいろ考えすぎてしまって、すぐに消耗しちゃうんですよね。

たぶん内向的な人の中には私のようなタイプ、結構多いんじゃないでしょうかね。

 

ちなみに第二章に、著書がひょんなことから全員初対面の立食パーティーに参加する羽目になり、逃げ出すように帰宅するエピソードが書いてあったんですが、心当たりがありすぎて何度もうなづいちゃいましたね。

パーティーとか集団行動とか一番無理なことです...。

 

外交的な人を良しとする社会で

 

内向的なままでも自分らしく自信を持って生きられるならここまで悩まないんですが、社会は地味に圧力を与えてくるんですよね。

 

우리는 외향인의 모습을 표준으로 삼고 "저렇게 바뀌어야 한다" 라고들 말한다.

引用元:ナム・インスク著『実は内向的な人間です ー 今日も社会性ボタンを押すあなたへ』p63

以下、私が意訳した文です。  

(私たちは外交的な人の姿を標準と考え、”あの人みたいに変わらないといけない”と言ったりする。)

 

외향인을 기본값으로 설정하고 모든 사람이 항상 외향적인 척 하기를 강요하는 사회는 폭력적이다.

引用元:ナム・インスク著『実は内向的な人間です ー 今日も社会性ボタンを押すあなたへ』p64

 以下、私が意訳した文です。 

(外交的な人を標準に設定し、全ての人に外交的なふりをさせる社会は暴力的だ。)

 

ーーーーー

「誰とでも仲良くなれる人、初対面の人ともスムーズにおしゃべりできる人になりましょう!」

「高いコミュニケーション能力が備わっていてこそ理想的な社会人です。それでこそこの社会でやっていけます。」

 

幼少期から大人になるまでずーーっと、メディアから、職場から、学校からの圧力を感じて生きてきたんですよね、内向的な人達は。

で、自分はそれができないからダメな人間だ。克服しなきゃって思っちゃうんですよね。

ああ、悲しい。

 

でも嘆いてばかりで、社会のほうが変わってくれるのを願うのはちょっと時間がもったいない。

社会性ボタンのスイッチをONにして仕事のときだけ違う自分を演じるっていうのもひとつの手ですし、無理したくないっていう人は、無理して演じなくてもいいコミュニティーやワークスタイルを模索するっていうのもあり。

 

ま、私の場合は後者なんですが、それでも止むを得ず社会性ボタンをONにして、めちゃくちゃ外交的な自分を演じることもあります。

で、バッテリー切れになったらひとり部屋に籠って充電します。

 

内向型の人がこの社会で生きていくにあたって一番大事なのは、内向的な自分をダメな人間だと決めつけないことですね。

自分の気質を丸ごと変えよう!なんて思わないこと。

そうやって頑張りすぎると、自己肯定感ばかり下がっていきます(経験済み)

 

必要なときだけスイッチONにして、あとはOFFで生きたらいいんです。

頑張って外交的なふりをしたあとはとことん自分をケアしてあげる。

そして少しの時間もONにできないなら、OFFのままでも生きていける方法を必死で考えましょう。

 

私もそうやって試行錯誤しながら生きています。

 

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内向的な人が”考えすぎの沼”から抜け出す方法

 

내향인에게 생각이란 도구이기도, 짐이기도 하다. 생각이 번식하면서 창의적인 결과물이 나오기도 하고 남보다 앞선 사고로 타인에게 영감을 줄 수도 있다. 하지만 생각의 덫에 갇히면 어느 누구도 아닌 자신이 스스로를 갉아먹는 가해자가 되기도 한다. 생각에 자꾸 사로잡히는 내향인이 자신을 보호하는 방법은 한 가지밖에 없다. 움직이는 것, 행동하는 것이다.

引用元:ナム・インスク著『実は内向的な人間です ー 今日も社会性ボタンを押すあなたへ』p177-178

 以下、私が意訳した文です。 

(内向型人間にとって”考え”とは道具でもあり、お荷物でもある。”考え”が増えるにつれ独創的な結果になることもあるし、周りよりも一歩先をいく思考が他者にインスピレーションを与えることもある。しかし考えの沼にはまってしまうと、自分が自分のことを傷つける加害者になってしまうこともある。”考え”に囚われがちな内向的な人が自身を守る方法はひとつしかない。それは動くこと、行動することだ。)

 

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ーーーーー

内向的な人が一番得意でもあり、短所にもなってしまうのが、”考える”という行為。

考える癖があるとちゃんと内省できたり、他の人が気づかないことに問題意識を持てたりするのですが、それが過剰になると沼にはまってしまい、身動きがとれなくなったり極端な思考に走ってしまったりするんですよね。

著者はその沼にはまらないためには、動くこと、行動することが一番だと言っていますが、私もこれには完全同意でして。

 

もう十分考えたって思ったら、小さいことから行動に移す。

やってみると、意外とすんなり解決したり、思わぬ良い展開になったりするってこともありますからね。

私も「あんなに長い時間うじうじと考えて損した」って思うことが数多くあったので、したいことはすぐする、言いたいことは言う、ほしいものはすぐ買う、という風に少しずつ行動力を高めています。

内向型の人の場合、ちゃんと考える癖があるので、ある程度思い切ったことをしても大失敗するってことは少ないんじゃないかなと。

 

いつもより1テンポはやく行動に移すっていうのは、日常の中でも訓練できますからね。試してみる価値はあります。

 

★★★

ということで今回は 『実は、内向的な人間です - 今日も社会性ボタンを押すあなたへ』

の紹介でした。

 

冒頭にも書いたように私も根っからの内気人間なので、タイトルを見て即買いしまいて。

普段韓国語の本は1〜2週間、長い時は数ヶ月ほどかけて読むのですが、この本はあまりにも共感しすぎて2日で読み終わっちゃいました。

 

    ・内向的な方
    ・周りにいる内向的な人を理解したい方
    ・外交的な人向けに作られた社会で苦しんでいる方
    ・HSPの方

 

 におすすめできる1冊です。

 

 

邦訳版はこちら▼

 

 

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