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こんにちは、苦手な夏が到来し、毎日、好きな本とアイスコーヒーでなんとか正気を保っている、そみ(@somi_koguma) です。
今回はですね、最近読んだ本『명랑한 은둔자(明朗な隠遁者)』の紹介をしようと思うのですが、これまた인생 에세이に追加決定の超私好みのエッセイでして。
6月はどっぷりこのエッセイの世界に浸っておりました。
ざっくりですが、
- ・ひとり家で過ごす時間が好き
- ・結婚、出産が想像できない
- ・狭く深い人間関係を望んでいる
- ・内向的、完璧主義傾向な性格
といった方に響きそうなエッセイでした。(上記すべてに該当する人間ここにいます。)
※今回紹介する本は韓国語で書かれた本です。
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キャロライン・ナップ
本書の内容を紹介する前に、著者の紹介を少し。
『명랑한 은둔자(明朗な隠遁者)』の著者キャロライン・ナップは、アメリカ人のコラムニスト兼作家。
生涯にわたり孤独と愛犬、双子の姉をこよなく愛し、その一方で長年様々な依存症や拒食症に苦しんでいた著者は、人生の喜び・悲しみ・愛情・友情・中毒・喪失をテーマにいくつものエッセイを書き続けました。
彼女の作品の中でも、人生のどん底で悟ったことを記録した回想録『Drinking』は全米でベストセラーになったんだとか。
残念なことにキャロライン・ナップは42歳という若さで2002年に亡くなったため、今回の『명랑한 은둔자(明朗な隠遁者)』は没後作品だそう。
この本が出版されるまで、キャロライン・ナップは韓国であまり広く知られていませんでしたが、韓国で有名な翻訳家、キム・ミョンナムさんが翻訳なさったということで、出版されてすぐに話題になったそうですね。
明朗な隠遁者(명랑한 은둔자)
多様な体験談がつまったエッセイなので、数行で要約することは難しいのですが、章ごとに大まかなテーマが決まっていたのでざっと紹介します。
このエッセイは全5章構成でした。
第1章「홀로」のキーワードは、孤独・寂しさ・内気さ。
著者は大の家好きで、ひとりの時間を何よりも大切にするタイプ。
近所の人や親しくない人との付き合い方に悩む姿、孤独と孤立の狭間で大きく揺れる姿が印象的な章でした。
ちなみに私もひとりが好きで、誰かに干渉されるのが嫌なタイプ。かといって孤立するのは怖くてたまらないという非常に拗れた人間なので、この章はため息が出るほど共感しました。
第2章「함께」は双子の姉・友達・恋人・愛犬との関係について。
疎遠になった友達への複雑な心境、共通の趣味でつながるゆるやかな関係への喜び、誰もが日常で抱えるような些細な(でも自分にとっては重大な)人間関係の悩みや喜びが綴られていました。
そして第3章「떠나보냄」は、喪失・哀悼・依存症がキーワードで、愛する人との別れや死に向き合うお話、 摂食障害や依存症にまつわるエピソードが綴られていました。
第4章「바깥」は権力・セクシュアリティー・同時多発テロ・老人の尊厳など、筆者の目に映る世の中(主に1992〜2001年)の話が。
そして最終章「안」は、好きな季節や服・運動の話など、筆者の考えやこだわり、日常のあれこれが書かれていました。
こうやって各章のトピックを挙げてみると、非常に幅広いお話がつまってることがわかりますね。
中にはあまり馴染みのないトピックもありましたが、ナップの正直で淡々とした、そしてセンスのある文体が、今後自分も直面する可能性がある(もしくは周りの人がすでに経験しているかもしれない)世界へ軽やかに連れていってくれました。
これは友達との会話あるあるかもしれませんが、友達と話すときって、取り止めもない話をオチなくだらだらとすることありますよね。
深刻な話をしていたかと思いきや、5分後には面白かったドラマの話をしている。幾つもの話題を横断し、互いの背景、直面している問題を共有し、ゆるやかな友情を醸成していく。
このエッセイはそういった、心を許せる友達と対話をしているかのような、もしくは友達の日記をのぞいているかのような(そんなことしてはいけませんが)錯覚に陥る一冊でした。
遠い土地の、もうこの世に存在しない一人の女性に、親近感と友情を感じられるとは。これだから読書はやめられない。
ということで、ここからは、記憶に残った部分をピックアップしたいなと。
내 경우, 가장 중요한 과제는 고독과 고립의 경계선을 잘 유지하는 것이다. 실제로 그 둘은 종이 한 장 차이다. 사회적 기술은 근육과도 같아서 위축될 수 있고, 내가 경험한 바로도 육체적 건강을유지하는 것처럼 사람과의 접촉을 유지하려고 애쓸 필요가 있다. 타인과의 접촉을 일정 수준 이상으로 유지하지 않으면, 지극히 간단한 사회적 행동마저도 누구를 만나서 커피를 마신다거나, 외식을 한다거나—엄청나고 무섭고 피곤한 일처럼 보이기 시작한다.
중략
적절한 균형을 지키지 못하면, 삶이 약간 비현실적인 것이 된다.
引用:『명랑한 은둔자』캐럴라인 냅 p48
以下、私が意訳した文です
(私にとって一番重要な課題は、孤独と孤立の境界線をうまく維持することだ。実際この二つは紙一重だ。社会性は筋肉と似ていて、萎縮することもある。私が経験した限りでは、肉体的な健康を維持するのと同じように、人との接触も頑張って維持する必要がある。他人との接触を一定水準以上に維持しなければ、とても簡単な社会的な行動までもが(誰かに会って一緒にコーヒーを飲んだり、外食をしたり)とてつもなく恐ろしく疲れる行動に見えるからだ。 中略 適度なバランスをとらなければ、人生がやや非現実的なものとなってしまう。)
우리를 둘러싼 모든 것이 혼돈으로 느껴질 때, 우리는 자신이 통제할 수 있는 것을 통제하려고 든다. 무엇이든 좋으니 무언가를. 자신이 섭취하는 칼로리를 , 자신의 몸무게를, 자신의 환경을.
引用:『명랑한 은둔자』캐럴라인 냅 p267
以下、私が意訳した文です
(私たちを取り巻いている全てものが無秩序に感じられるとき、私たちは自身がコントロールできそうなものをコントロールしようとする。何でもいいから何かをコントロールしようとする。例えば、自身が摂取するカロリーや体重、自身の環境などだ。)
직장이라는 전쟁터에서 어깨를 겯고 싸웠던 사람들, 내가 존경하고 동경했던 사람들,하지만 우리가 전쟁터를 떠나고 나서는 관계가 끊어진 사람들. 재활원에서 만났던 친구들도 마찬가지다. 그들과 공유했던 경험은 너무나 독특하고 특정 맥락에 좌우되는 것이었기에, 그 유대감은 우리가 병원에서 나오기가 무섭게 거의 즉시 사라졌다.
引用:『명랑한 은둔자』캐럴라인 냅p71
以下、私が意訳した文です
(職場という戦場で肩を組み共に闘った人たちや、私が尊敬し憧れていた人たち。でも戦場を去ったあとは、関わりがなくなってしまった人たち。リハビリ病院で出会った人たちも同様だった。彼らと共有した経験は特殊で、特定の脈絡に左右されるものであった。そのため、その絆は私たちが病院を出たその瞬間、消え去ってしまった。)
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学生時代は仲良くしていたのに、卒業後は全く話が噛み合わなくなってしまったり、昔はそんなに仲良くなかったのにひょんなことから意気投合したり。よくあることですよね。
この文章を読んで「あの関係は、ああいう状況下にいたからこそ維持できていたんだなあ」とか「関係が悪くなったというよりは、お互いが変わってしまったことが原因だったんだろうなあ」と、今は疎遠になった人たちを何人も思い出しました。
すれ違いは何度経験しても胸が痛むけれど、日々考えや関心事、身を置いている環境が変化しつづけている以上、仕方ないことなのかもしれない。
友達と長くいい関係を続けていく努力はもちろん必要だし、そうなれば素晴らしいことだけど、時に関係に終わりを告げることも大切なんだろうなあと思う最近。
それでも、久しぶりに再会したときに、昨日まで話していたかのように楽しく話せる関係が、歳を重ねるごとに増えていったらいいなあなんて思ったり。
케이트 모스, 빼빼 마른 모델들, 수영복광고 등등. 늘 그런 것들을 보며 살아가는 세상에서 과연 어떤 여자가 음식과 신체 이미지에 있어서 자신이 정상이라고 느낄까? 날씬한 몸을 이상으로 받드는 이미지가 쉴 새 없이 쏟아지는 세상에서 거식증 같은 문제를 진짜 극복하는 게 가능한 일일까? 나는 그런 이미지들이 강력한 힘을 발휘한다고 생각하고, 그 힘에 영향받지 않는 여자는 아주 적다고 생각한다. 그리고 그런 이미지들이 전하는 메시지가 지긋지긋하게 싫다. 이런 외모를 가지면 더 행복할 거예요, 날씬해지면 삶이 더 나아질 거예요, 하는.
引用:『명랑한 은둔자』캐럴라인 냅p181
以下、私が意訳した文です
(ケイト・モス、がりがりに痩せたモデルたち、水着の広告などなど。いつもそういった人を目にする世の中で、食べ物と身体イメージにおいて自分は正常だと感じる女性が、果たして存在するのだろうか。スリムな体を理想とするイメージが次々に溢れかえる世の中で、拒食症といった問題を完全に克服することは可能なのだろうか。そういったイメージは強力なパワーを放っていて、そのパワーの影響を受けない女性はごく稀だと私は思う。そして私はそういったイメージが伝えようとするメッセージに嫌気がさしている。こんな外見になればもっと幸せになれますよ、スリムになれば今よりもっといい人生になりますよ、といった)
오늘 아침 일찍 나는 강에 배를 띄우고, 청명한 8월 말 하늘 아래 강을 거슬러 오르며, 배의 리듬에, 수면에 부딪혀 반짝이는 햇빛에, 노가 물을 가르는 느낌에 넋을 잃고 몰입했다. 나는 스스로 강하고 유능하다고 느꼈고, 내 몸이 내가 가르친 대로 움직인다고 느꼈다. 그리고 계속 노를 저으면서 나는 내 팔을 생각했고, 힘과 아름다움의 관계를 생각했고, 내가 여성의 몸매와 체형을 규정하는 표준 방정식을 거스르는 데 이 스포츠가 얼마나 큰 도움을 주었는지를 생각했다. 평소 내 팔은 스웨터나 긴팔 옷에 싸여서 남들 눈에 띄지 않게 가려져 있다. 나는 팔을 내보이지 않고, 그럴 필요도 느끼지 않는다. 내가 내 팔에서 느끼는 만족은 전적으로 사적인 것이고, 이 점이 그 만족감을 특히 의미있게 만들어준다. 몸매에 관한 외부의 명령이 아니라 나 자신의 열정과 어떤 일을 할 줄 아는 능력들에서 비롯한 미적 기쁨, 안에서 나와 밖으로 드러난 아름다움. 날개가 된 나의 팔, 이것이 바로 해방의 정의라고, 나는 믿는다.
引用:『명랑한 은둔자』캐럴라인 냅 p343
(今朝早くに川に船を浮かべた。8月末の澄んだ青空の下、川の流れに逆らって上り、船のリズムや水面に反射しきらめく日差し、オールが水をかき分ける感覚に、私はうっとりし夢中になった。私は自身が強い人間だと、有能な人間だと感じた。そして私の体が私が教えた通りに動くのを感じた。オールをこぎながら、私は私の腕のことを考え、力と美しさの関係について考え、女性の体つき、体型を規定する標準方程式に逆らうのに、スポーツがどれだけ役立ったかを考えた。私の腕は普段セーターや長袖の服に包まれていて、他人の目に映らないよう隠されている。腕を誰かに見せることはないし、その必要も感じなかった。私が私の腕から感じる満足感は、すべて私的なものなんだ。この点こそが満足感をより意味のあるものにしてくれる。体つきに関する外部の命令ではない、私自身の情熱と能力から生まれた美的な喜び。内側から外に表れる美しさ、翼となった私の腕。これこそが解放の定義なんだと、私は信じている。)
★★★
ということで今回は 『明朗な隠遁者』 の紹介でした。
上記以外にも紹介したい文章はたくさんありましたが、これから読む人の楽しみを奪うことになるので自分にストップをかけました。
他にもここには書けないような赤裸々なエピソードもあって、思わず声出して笑っちゃうことも。
また、著者は自身がフェミニストだとはっきりと宣言していませんでしたが、おそらくそうなんだろうなーと文面から伝わってきました。いやあ、今著者が生きていたら、20年前とさほど変わっていない男性中心社会にどんな反応をするんだろうなあと。
生きててほしかったな。
孤独を愛す内向的な方なら、著者に強い共感と友情を感じられるエッセイだと思います。
気になる方はぜひ読んでみてくださいね。
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