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こんにちは、そみ(@somi_koguma) です。
今年ももうすぐ終わりってことで、1年の読書記録をしておきます。
毎年恒例になっている韓国本ベストアワード。
夏以降、日本語の本に読みたいものが多かったため、韓国の本にあまり時間を割けませんでしたが、今年も「この文章に出会えてよかった....!」と心が強く揺さぶられた本があったので、今回はそれを少し紹介。
どの作品も甲乙つけがたいし順位をつけるのもなんかなあと思うようになってきたので、今年からは順位はつけないでおきます。
地球人ほど地球を愛することはできない
1冊目はチョン・セランさんの初エッセイ『地球人ほど地球を愛すことはできない』です。
セランさんにもいつかエッセイを書いてほしいなあと待ち望んでいただけに、この春に刊行の知らせを見たときはにんまりとしてしまいました。
一文一文噛みしめながら数ヶ月かけて読み、昨日ようやく最後のページをめくったのですが、もうセランさん好きいいいい涙......の波が押し寄せてきて、しばらくぼーっと余韻に浸っていました。
主にニューヨーク、アーヘン、大阪、台湾、ロンドン旅の様子がつづられていますが、セランさんの幼少期の話や小説家になる前の話、友人達との会話など、セランさんファンだったら絶対気になっているエピソードも織り込まれていて「ああ、この経験があの作品に影響を与えたのか!」「セランさんの作品作りの原点はここにあるのだな」と小さく震えた瞬間がいくつもありました。
セランさんの目を向ける先や多くの人が通り過ぎてしまうようなものを大切に掬い上げる姿勢が伝わってくるエッセイでしたし、彼女には軽やかに絶望を吹き飛ばす力があるなあと改めて思いました。
何度も言いたい。セランさん大好き。
お守り本がまた1冊増えてほくほく。
近日中に詳しく紹介したいと思います。
明朗な隠遁者
続いては 『明朗な隠遁者』 です。
こちらはキャロライン・ナップというアメリカのコラムニスト兼小説家が1990年代〜2000年代にかけて綴ったエッセイです。
人生のどうしようもなさに打ちのめされる様子、日常の些細なことに一喜一憂する様子、自分の不甲斐なさに落ち込む様子が事細かく記録されていて、まるで友達の日記を読ませてもらっているような感覚になった1冊です。
生きた時代も国も職業も言語も全く違うけど、内向的でちょっと捻くれ者で、なんだか自分と似ている要素が彼女の中にあって、どの時代にも自分みたいな人はいるんだなあと親近感を感じたり。
さっきまで冗談を言ってわははっと笑っていたかと思えば、互いの悩みを打ち明けているうちに涙腺が緩む。喜怒哀楽スイッチがころころ変わる。そんなまるで友達とおしゃべりしているかのような錯覚に陥るキャロライン・ナップの文章は、外とのつながりが制限されがちな今の時代も多くの女性を励ましてくれるんじゃないかなと思います。
体の言葉たち
様々な分野で活動中の女性8名が、それぞれの切り口で自身の体について語っている 『体の言葉たち』 - 愛でも嫌悪でもない体の話。これもすごくよかった。
他の多くの女性もそうであるように、私も幼いころから絶え間なく体を評価され、世間の美の基準と自分の体を比較し自己点検を繰り返してきました。日本にいるときそうでしたし、韓国に留学していた頃も心無い言葉をぶつけられ、自分の体が相手の目にどう映っているかが気になって仕方ない時期がありました。そして私自身も内在化した美の基準によって、誰かを無自覚に傷つけてしまってたかもしれない。
メディアやエンタメはコンプレックスを克服しろと煽る一方で「ありのままのあなたが美しい」「欠点も愛すべき」「ボディーポジティブ」だと言うし、じゃあどうすればいいんだ、否定も苦しいし、かといって肯定も苦しいんですけど...と長らく苦しんでいました。
今は自分の容姿への執着がかなりなくなってきましたが、それでもたまにものすごく自分の容姿が嫌になることがありまして。
だから本書の中の”体へ向ける視線を肯定でも否定でもない0にもっていく”っていう言葉にはとても救われたし、8名の女性の語りから、ひとりじゃ到底突破できなかったような分厚い壁に少しばかりヒビを入れるヒントを得られた気がします。
容姿に対して他者が何かを言うことについての価値観は少しずつ変わってきているけど、まだまだそういったいじりは存在するし、一刻も早く、メディアやエンタメなどによって醸成されてきたステレオタイプからみんなが解放される社会になってほしいなと思ってます。
この本も日本で刊行されたらいいな。
★★★
てことで2021年のお気に入り韓国語エッセイ3冊の紹介でした。
韓国本の積読も残り1冊になってきたので、また年明けごろにまとめて買いたいなあと思ってます。
来年も読んでよかった本はちょこちょこ紹介していくので、マイペース更新ですがのぞいてもらえると嬉しいです。
ではっ
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