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こんにちは、 そみ(@somi_koguma) です。
最近ツイッターにも書いたんですが、20代中盤に差し掛かってくると、周りから「結婚はするのか」とか「そろそろいい人見つけないと」とか言われることが増えてきましてですね。
興味本位の干渉に苛立ちを感じ、ほっといてよ!と反発しちゃうんですが、ふと寝る前に「やっぱ結婚を視野にいれ始めたほうがいいのかな」という考えが頭を過ぎって、さらにイライラしたり(笑)
結婚するか、それとも独身のままでいるのかといった二者択一を周り(あるいは世間の雰囲気?)から迫られ、モヤモヤーっとしていたんですが、最近読んだ韓国のエッセイ、『女ふたり、暮らしてます 』- 一人暮らしでも結婚でもない、ユニット家族の誕生を読んで、気持ちがとっても軽くなりました。
今回は
- ・多様なライフスタイルに興味がある
- ・結婚と独身の間で葛藤を感じている
- ・自分らしい生き方を模索している
こういった方におすすめしたい1冊、『『女二人で暮らしてます 』- 一人暮らしでも結婚でもない、ユニット家族の誕生』を紹介していきたいと思います。
【追記 2021.2.27 日本語版も発売されます!】
※今回紹介する本は韓国語で書かれた本です。
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여자 둘이 살고 있습니다(女二人で暮らしています)
この本は40代の女友達2人が一緒に家を買い、互いの違いを乗り越えながら、自分らしいライフスタイルを追求していく話を綴ったエッセイ。
結婚でもない独身でもない”ユニット家族”という、従来のライフスタイルに縛られない選択肢を提起し、韓国でも大きな話題となっている1冊です。
タイトルだけ見ると、結婚を一方的に批判する内容なのかなと思ってしますが、そういった内容よりもライフスタイルに関するエピソード、互いの違いを理解し合うエピソードなど、彼女たちの人間味溢れる愉快な日常が詰まった1冊でした。
著者のお二人はエディター・コピーライターとして活躍しておられることもあって、文章がめちゃくちゃうまくて話の構成やオチなどが絶妙!
韓国のエッセイを読んで声を出して笑ったのは、この本が初めてでした(笑)
W2C4 結婚でもない独身でもない、ユニット家族という新しい選択肢
この本に出てきた言葉の中で一番印象に残っているのが、”W2C4” という言葉。
これは家族を化学式のようにあらわしたもので、W(女性)が2人、C(猫)が4匹という意味なんだとか。
これがW3D(女性3人犬1匹)になってもいいし、WMC2(女性男性、猫2匹)になってもいい。
この言葉を目にした瞬間、いろいろな分子を組み合わせるように、自由に"家族"を作っていいんだよーという著者のメッセージが伝わってきました。
원자가 둘 결합한 분자도 있을 테고 셋,넷 또는 열둘이 결합한 분자도 생길 수 있다. 단단한 결혼도 느슨한 결합도 있을 것이다. 여자와 남자라는 원자 둘의 단단한 결합만이 가족의 기본이던 시대는 가고 있다. 앞으로 무수히 다양한 형태의 '분자 가족'이 태어날 것이다.이를테면 우리 가족의 분자식은 W2C4쯤 되려나. 여자 둘 고양이 넷. 지금의 분자 구조는 매우 안정적이다.
P12 『여자 둘이 살고 있습니다』김하나 황선우 より
以下私が意訳しました
(原子が2つ結合した分子もあるし、3つ4つ、または12個結合した分子ができることもある。しっかりとした結婚もゆるい結合もあるだろう。女性と男性という原子2つの強い結合だけが家族の基本であった時代は過ぎ去ろうとしている。これから無数の多様な形の”分子家族”が生まれてくるはずだ。例えばうちの家族の分子式はW2C4といった具合になるだろうか。女2人、猫4匹。今の分子構造はとても安定的だ。)
異性愛主義、保守的な人からしたら、はー?っていう話なんでしょうが、家族って必ずしも男と女、子供じゃなくてもいいですよね。
価値観やライフスタイル、馬が合う人同士が集まってもっと自由にカスタマイズしてもいい。
従来の結婚の形を選択してもいいし、別に友達数人と住んでもいい。そこにペットを足したり、植物を足したり。ほんと自由になればいいなーって思っています。(でも自由にできないのが今の日本社会ですが)
現時点でこういったスタイルを選ぶ人は少数派ですが、これからそうする人がどんどん増えていって、もっと多様性のある社会になっていくんでしょうね。
どういった形であれ、自分の心に正直に幸せに生きるのが一番。
大きい声でそういえる社会が早く来てほしいです。
結婚をしなかった女性の声
내가 불안하고 초조했던 건 결혼을 못 해서라기보다는 '결혼 못 한 너에게 문제가 있어' '이대로 결혼 안 하고 지내면 너에게 큰 문제가 생길 거야'라고 불안과 초조를 부추기고 겁을 줬던 사람들 때문이라는 걸.
P82 『여자 둘이 살고 있습니다』김하나 황선우 より
以下私が意訳しました
(私が不安で焦っていたのは結婚ができないからではない。”結婚しないあなたに問題がある”、”このまま結婚しないまま過ごしていたら、大きな問題にぶち当たるよ”と不安と焦りで煽り、私を怖がらせていた人々のせいだったのだ。)
私の少ないデータを元にしていますが、結婚の悩みのほとんどは内的な要因によるものではなく、外的な要因によるものだったりします。
例えば「結婚しなかったら孤独になる」「結婚しない人は何か欠けている人だ」といった言葉。
こういった凝り固まった言葉に頭を侵略され、望まないライフスタイルを選択してしまう人が多いですよね。
もちろん経済的な原因もありますが。
私も例外ではなく、冒頭に書いたように、誰かから「結婚しないの?」「そろそろ探し始めた方がいいよ」なんて言われるたびに心がざわざわとしてしまいます。
”結婚をしてこそ立派な人間になれる”、”結婚をしない奴は一人前じゃない”
今の自分のままで十分なのに、満足しているのに、さらに何かを証明しなきゃいけない気分になってしまいます。
나는 남의 입으로 함부로 요약할 수 없는 사람이며, 미안하지만 그들이 바라는 이상으로 행복하다.
P82 『여자 둘이 살고 있습니다』김하나 황선우 より
以下私が意訳しました
(私という人間は他人が適当に要約できない存在なのだ。悪いが、彼らが願う以上に私は幸せだ。)
でもよく考えてみると、結婚しているのかしていないのかは、ライフスタイルの一部分であって、それがその人の人生を代弁するものではないんですよね。
結婚をして幸せになる人もいれば不幸になる人もいますし、もちろん結婚をしなくても幸せになる人もいますし不幸になる人もいます。
結局は自分がしっかりと意思をもって人生を歩んでいるかにかかっているのだと思います。
そこを履き違えちゃだめですよね。
이 나이가 되도록 결혼을 안 하고 있어서 좋은 점은, 세상이 말해주지 않는 비밀을 하나 알게 되었다는 거다. 그게 뭐냐면 결혼을 안 해도 별일 아니라는 사실이다. 내가 결혼을 안 해봐서 아는데, 정말 큰일 나지 않는다.
P78 『여자 둘이 살고 있습니다』김하나 황선우 より
以下私が意訳しました
(この歳になるまで結婚をしていなくて良かった点は、世間が教えてくれない秘密をひとつ知れたことだ。何かというと、結婚をしなくてもどうってことないという事実だ。結婚をしてないからこそ分かる。大変なことにはならないよ。)
結婚について語るとき、 世の中に溢れかえっている声の大半は”結婚をした人”の方。
一方で”結婚しなかった人(嫌味っぽく結婚できなかったと言う人もいますが)”や一般的な結婚と認められていない選択をした人の声はかき消されていて(もしくは語ってはいけないものとされていて)、少数派の人がどのような考えを持っているのか、どのような人生を生きているのかが表に出てこないケースがほとんどです。
そういった意味で、40代の未婚の女性が書いたライフスタイルエッセイが人気を集めているのは、”結婚”への重圧が強い社会に変化が現れている証拠なのかなーと思います。
それに、多くのファンをかかえる有名な著者が「結婚しなくても、幸せです!」と飾りのない言葉で語ってくれていることに、勇気をもらう女性も多いんじゃないかなと思いました。
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幸福は〇〇だ!と叫べる人生
エッセイの中で印象的だったのが、著者2人が家具を設置するのに疲れ果て、放心状態でバターを塗った焼き芋を食べるシーン。
ストレスと疲労でぐったりの状況で、著者の1人(バターが大好物)が突然"幸福はバターだ!!!"と叫ぶんです。
나는 스트레스 상황에서 '행복은 빠다야!' 를 듣고 한순간에 기분이 좋아져버렸고, 역시 동거인은 단순하고 튼튼하고 밝은 사람이 최고인 것 같다고 생각했다.
그리고 빠다처럼 나를 확실히 행복하게 하는 게 뭔지를 평소에 알아두는 것도 좋겠다 싶었다.
P170 『여자 둘이 살고 있습니다』김하나 황선우 より
以下私が意訳しました
(私はストレスが溜まった状況で、”幸福はバターだ!”という言葉を聞き、一瞬で気分が良くなった。やはり同居人は単純で頼もしくて、明るい人が最高だと思った。
そしてバターのように自分を確実に幸せにしてくれるのが何なのかを、日頃知っておくことも良いことだと思った。)
이처럼 여러분도 스스로를 행복하게 하는 것에 대해 잘 생각해볼 일이다. 그런 것을 발견했다면 '행복은 〇〇야! '라고 한번 외쳐보길 바란다.
P172 『여자 둘이 살고 있습니다』김하나 황선우 より
以下私が意訳しました
(このように皆さんも、自身を幸せにしてくれるものに対してよく考えてみることだ。そういったものを発見できたのなら一度、”幸福は〇〇だ!”と叫んでみてほしい。)
わたしなら何だろうな。
幸福は最強に美味しいキムチチゲだ!!
幸福は本とコーヒーだ!!
幸福は韓国カフェだ!!
ってとこかな。
うーん、まだまだありそう。
私は基本的にひとりが好きな人間ですが、幸福は〇〇だ!!って、言い合える人と一緒に暮らせるのって最高だなーとも思います。
それが結婚であれ、友達や知り合いとの同居であれ、そうやって自由に幸福を語り合える集まりが”家族”になれる時代がはやく来てほしいですね。
★★★
ということで、今回は『女二人で暮らしてます 』- 一人暮らしでも結婚でもない、ユニット家族の誕生の紹介でした。
著者のキム・ハナさん、ファン・ソヌさん、本当にかっこいい方です。
ひとりでも多くの女性がもっと楽に人生を謳歌できるように、彼女たちが多くの女性のロールモデルになることを心から願います。
韓国語だけしかないのが勿体ないほど。是非日本語版も発売してほしいなーと。
また、最後に著者のブックトーク(韓国語ですが)のURLも載せておきます。かっこいいオンニたちの幸せに満ち溢れた表情を見てみてください。
https://m.vlive.tv/video/123859/
ではっ!
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【追記2020/8/19】キム・ハナさんの新しいエッセイのレビューも書きました。
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